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▼電工ナイフ▼[2008年]

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電気工事専用ナイフ」のことです
                                  目 次 to index  
主に屋内電気配線工事や電話配線工事などの際に、電線やケーブル類の絶縁被膜をはいだり、切断加工をするときなどに使います。
( 電工ナイフの正式名称:電工用ナイフ、Folding Electric Knife All Steel )

下の写真が、物珍しさも手伝って譲り受けた「電工ナイフ」です。
「 電力会社のシンボルマーク*」が刻印されたレア物(rare item)です。 約45年前の1963年(昭和38年)製です。
*[シンボルマーク ロゴマークロゴタイプ]

このナイフの特長「突き刺し機能」を無くし「被覆はぎ機能」に特化、さらに「折りたたみ式」を採用していることです。
(切っ先がフラット形状なのは、電力会社の安全工具仕様だからです)


 全長=210mm (ブレード部=90mm ハンドル部=120mm) 全質量=169g


この機能美、ジグドボーンの質感と相まって★Good !ですね。


刃が分厚く、鉈(ナタ、刃渡り17cm)に似た形状です。


刃の構造は
「割込み鍛造」 ではなく「炭素鋼の無垢材鍛造」です。
研げば、優れた切れ味が楽しめます。



古い物ですが、ほとんど使う機会が無く、数十年の間、保管されていたようです。(カメラレンズ収納箱に入れたまま、しまい忘れた)

ナイフは、目立った損傷やピン類の緩みもなく、折りたたみ機構のバネの調子も良好です。

ブレード部分鏡面磨きで、撥水性があり錆びにくいです。
ハンドル部分ジグドボーン(後述)製で、独特の味わいが伝わってきます。

この1挺、携帯電話機(110g)より若干重いです( 約1.5倍 )。



 では、「電工ナイフ」の詳細を紹介します 

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 目 次 ( INDEX )
    ↓tap and jump
  [1] はじめにGO 

  各部位の名称 
 [2] 詳 細 GO 

  ブレードハンドルジグドボーンブレード収納 
 [3] 用途例 GO 

  被覆はぎPF管切断軽微な削り加工 
 [4] 追 記 GO 

  ペンチホルダー腰袋(こしぶくろ)工具袋(通い袋) 
 [5] 参 考 GO 
 日光 大獣院 追加掲載




[1]*1  はじめに                目次に戻る 

興味本位で調べた「ナイフ各部位」の一般名称です



この「実測外寸」・・・なにかの役に立ちますか?





[2]*2 詳 細                    目次に戻る 
今回紹介のナイフは、電力会社の社員用貸与品であったそうです。
造りは頑丈でピン類のガタも無いです。

刃(blade)は手造り鍛造品ですが「銘の刻印」がありません。自社仕様での多量調達(数社に同時期発注)のため、銘を伏せたようです。

ボルスター(bolster)部にカンパニー シンボルマーク(かみなりマーク)の刻印があります。

電力会社の「安全装備規則規格仕様」の工具ですから、カンパニーシンボルマークが全てを保証してますね!

■ シンボルマークの刻印状態


■ナイフの表面・裏面とは ?

ナイフの表面/裏面は、右利き用の場合、刃を下向きに右手で持ち、右側が表(おもて)、左側が裏(うら)です。
左利き用は表裏が逆になります。



【 余 談 】 (2023/10 趣味どきっ! NHKテキストより抜粋)

■ 日本刀など刀剣の表/裏とは・・・

太刀(たち)や刀(かたな)を腰に装着した際

・太刀(平安時代中期~室町時代前期)は・・・刃を下に向け

・刀 (室町時代中期~江戸時代末期)は・・・刃を上に向け
て差しました。

その際、外側になるのが「おもて(表)」

身体側になるのが「うら(裏)」です。

・太刀(たち)の場合は「佩き表・佩き裏」(佩き=はき)。

・刀(かたな)の場合は「差し表・差し裏」(指表・指裏)といいます。



今回紹介のナイフ サイズ(再掲)
 全長=210mm ( ブレード部=90mm, ハンドル部=120mm ) 全質量=169g
↓写真:おもて面側 全体


↓ 写真:うら面側全体



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(1)ブレード部 ・・約47年前の古い「電工ナイフ」です。

刃材は「全鋼鉄製」炭素鋼・Carbon steel )です。
刃の厚みは、刀身の付け根で4mm幅です。

電工ナイフは、被覆電線の「絶縁被覆(外被)」だけを削ぎ、芯線(銅線部分)には傷を付けないよう注意して使います。

このため鉈に似た形状で刃が厚く、刃付けは「両刃」で「刃角は大きめ」です。
「切れ味」を若干鈍く落します。(個人の使いやすさに研ぎます)



「切っ先」は「被覆はぎ」作業に特化し、「突き刺し機能」を持たない形状です。


刃の材質は、全鋼鉄炭素鋼・Carbon steel)製で、研げば素晴らしい切れ味で、人気があります。(前述)

刃材には、「全鋼鉄」と「ステンレス(割込)」の2種類があります。
ステンレス製の刃は、硬く耐久性があり、サビにくいそうです。

「全鋼鉄」は、刃こぼれ等切れ味が落ちた場合は、研いでメンテナンスできるそうです。
研ぎ方については、基本的に包丁と同じく砥石(といし)が使えます。
専用のシャープナーを使うことで手軽で簡単に研ぐこともできます。


「炭素鋼」は、日本のナイフに多用されていますが、日本刀の技術を受け継いだ世界にほこれる鋼(はがね)ですね。
ただ、錆(さび)に弱く、もろいという性質があります。
しかし、魅力的な切れ味は、たまらないものがありますよね!

「割込み」(わりこみ)とは、「ブレード構造」のことです。(Fig.1)

「 全鋼鉄 」は、「一枚の材料」から作られる「ブレード」です。
「 割込み 」、「3層構造」を持つ「ブレード」で、中心の硬い鋼 (はがね)を軟鉄やステンレスで挟んで作られています。

3層構造は、中心の硬い「鋼(はがね)」が切れ味を出し、外側の柔らかい材料が「ブレード」に弾力と耐久性を与え、折れにくくするという利点があります。日本刀の構造とは軟鉄、鋼材の割込み方が逆ですね。

「全鋼と割込」の主な違いは、この構造と材質の使用にあり、それぞれが持つ特性によって、用途や好みに合わせて選ばれているそうです。



製造年月今回のナイフ
[リカッソ部] には「
38.6」の数字が、[うら面] には「Kick」(キック) の刻印があります。

この数字からナイフ製造年月が、昭和386月製造と分かります。


リカッソとは、ナイフ、短剣、剣、銃剣などのガードまたはハンドルの前端部で刀身が研がれていない刃の無い部分のことです。

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(2) ハンドル部 ・・ジグドボーン製(牛骨材の加工品)で手に馴染み、握りやすく滑りにくいです。
ほどよい握り感(フィット感)で、作業性抜群です。

ハンドルの長さは120mmです。



ジグドボーン(jigged bone)ついて
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ジグドボーンは、もともとは「鹿の角(スタッグ)」の代用品として作られたものだそうです。

水牛の角や大腿骨」を外気や水などで晒し、表面を平らにして、そこにタガネで模様を彫り滑り止めを施し、彩色加工して「鹿の角」のように見せたものだそうです。
これをジグドボーン(jigged Bone)と言うそうです。

ポケットナイフのハンドル材には、主に「水牛の角や大腿骨」が使われているそうです。
水牛は、ウシ科の動物でアジアには世界の95%が生息しています。 他に印鑑・櫛の材料としても利用されていますね。


■ ジグドボーンの彩色事例 
彩色加工の具合で、色合いに微妙な違いが生じるようです。
下の写真は、今回紹介のナイフの事例です。
1挺のナイフでも、このように表裏の色合いに違いがあります。






専門職の丁寧な仕上げで「機能美」が光ってますね!
ジグドボーンには、独特の味わいがあり、気に入ってます。





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(3)ブレード収納 ・・「折りたたみ」タイプや「固定刃」タイプなどの種類があります。

「折りたたみ」タイプは、ハンドル部分に折りたたむことでコンパクトで安全に持ち運びできます。
今回紹介のナイフは、スプリング アクションが若干強すぎます。
使い込めば、ほどよくなるのでしょう。



ハンドル部分にブレードを折りたたみ収納








ナイフ上部(上面)からの画像

ブレード収納状態です


ジグドボーンの質感が実にいいですね!



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[3]*3  用途例 

(a)ケーブルの被覆剥き
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VVFのような平型からVVRの丸型ケーブル、さらにCVTなどの太い幹線や高圧ケーブルまで電工ナイフ一本あれば被覆をむくことができます。

VVFケーブルとは、Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable の頭文字をとったケーブルの名称です。



(b)PF管などの切断
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「合成樹脂製可とう電線管」を切断する際に使用します。(PF管の切断は専用工具を使わなければならない場合があるそうです)

PF管(Plastic Flexible conduit)とは、耐燃性を備えた「合成樹脂製の可とう電線管」です。手で簡単に曲げられ、コンクリートへの打ち込みも可能であるため、屋内外の電線やケーブルの保護として多用されているようです。



(c)軽微な削り作業
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スイッチボックスなどのボード開口時の微調整などは電工ナイフを使ってガリガリと削ることがあるそうです。



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[4]*4 追 記                目次に戻る 

3品を入手しましたので参考までに掲載しました。(下の写真4枚)


説 明 ペンチホルダー (プライヤーホルダー)
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8インチ用です。電工ナイフは折りたたんで、うまく差せます。
これも大変古いもので、傷んでいます。鑑賞用の骨董品ですね?。



説 明 腰 袋(こしぶくろ)
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「片岡開閉所」の設備名があります。入手先からの情報によれば、1963年(昭和38年)頃に使われた「腰袋」(素材:ズック)だそうです。

「腰袋」には、小型無線機、腕章、タブレット、記録用紙類、手袋、折り尺筆記具、カメラ、双眼鏡 などの用品を収納します。




折り尺(おりじゃく)
折りたたみ式の木製物差しのことです。

薄くて細長い木に目盛りを付けた物差しで、持ち運ぶときには
折り曲げて、使うときには伸ばします。
尺目やメートル目が刻まれていて、伸ばすと1m程度になります。

金属製のコンベックス(Convex)は、感電事故防止のため使用しないとのことでした。



   
説明 工具袋(通い袋)
                       目次に戻る 
厚手の綿帆布で製作しているので丈夫で軽量なフック付運搬用袋です。帆布(はんぷ、英語: canvas)は、平織りで織られた厚手の布です。
素材は、木綿や麻や亜麻(リネン)です。 近年では、英語表現でキャンバス(キャンバス生地)とも呼ばれ、古くは、オランダ語由来の
ズックDoek(「」の意)とも呼ばれました。





--【 余 談 】--

上記の「片岡開閉所」は東京電力の154kV猪苗代(送電)系統にある電気設備です。(栃木県 矢板市 乙畑 地先)

この設備は、構内に設置された遮断器(CB)、断路機(LS)等の開閉装置により、送電線に電気を流したり、止めたりする中継点で、長距離送電系統の中間点に送電線の保守や事故波及防止のために設置されます。
(開閉所構内に変圧器が設置される場合は変電所と呼ばれます。)

CB : Circuit Breaker、LS: Line Switch

猪苗代第一発電所から東京の田端変電所までの送電は、1914年(大正3年)に開始されました。
この送電は227kmの長距離で、115kVの高電圧が使用されました。
日本では初めての110kVの送電となり、100kVを越える長距離高電圧送電技術が確立されました。

終戦直前の1944年(昭和19年)、この「片岡開閉所」から分岐して、茨城県日立市の軍需工場に向け、154kV茨城線が新設されました。
この時点で、猪苗代(送電)系統は154kVに昇圧されました。


--- Good-bye ---

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「物差し」と「定規」の違い

物差し」・・・物の長さを差しはかる道具
定 規・・・直線や曲線、角を引くため、または紙、木、布など裁断する物にあてて用いる道具




ここで END です..

--- End of File ---






以下、参考です                ↑Return to Top

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日光 大獣院[ Nikko Taiyuin ]
拝観 & 撮影:2007. 6.28 (平成19年)拝観料¥500
Fuu-jin ( Wind God )    /    Rai-jin ( Thunder God )
 ↓ パロディ(parody)


・関連する my HP です。
[ 風神・雷神 ]
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 追 加 掲 載  (2016/05)         ↑Return to Top
[シンボルマーク ロゴマークロゴタイプ]





 黒電話三代記 より
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日本電信電話公社 自動式電話機




では、この辺で・・・TNX 73..

--- End of File ---


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-END-



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